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ふるさと雑感

十五夜

9月になったけど 相変わらずクマゼミが鳴いている
さすがにひところの 勢いはなくなってきたけど
9月になれば何かが変わり 少しは希望が持てそうな気がしたが
あまり代わり映えはしそうにないようだ
これは国の政治のことで
9月は 十五夜 中学校の運動会 市民体育大会 加世田祭りと
なにかと出方 飲方の多い 忙しい月である
今年の十五夜 中秋の名月は9月12日である
十五夜には相撲 綱引きがつきもので
あの頃は 夏休みの終わりごろになると 子供たちで相撲の練習をして 
選手を決め 十五夜の相撲に臨んでいた
また綱引きの大綱は 青年団が放課後 学校の校庭で ワラ縄から作り
それを見るのが楽しみで わくわくするものであった
娯楽とてあまりない時代で 名月の下 子供たちの相撲を楽しみ
大綱引きに興じる これは我々の先祖たちが 営々と積み上げてきた
催事であり 生活の知恵でもあっただろう

綱引きが終わり 家に帰ると 名月も空高くにあり 
縁側の先の お供えのススキ サトイモ オハギが
やわらかい月明かりに照らされ 
そこにはゆったりとした時間が流れていた
相撲 綱引きに高揚した後でもあり 
みょうに安堵感をおぼえるものであった

藤沢周平の随筆のなかに
「政治というのは 声が高いわりに非力で
人間を本当に幸福にしたことはなかったのではないか」 
という一節があると 新聞のコラムにあったが
これを読んで あとの言葉が出てこなかった
わが国が今直面している 国難を乗り越えるには 
政治しかないのであるが 現状をみると 暗澹たる気持ちになる
そういうなかで せめて中秋の名月をめでる余裕は持ちたいものである

by minnamiya | 2011-09-01 16:46 | Comments(0)  

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