ふるさと雑感

けんぼうの夢想話


               鯉のぼり

 
 風薫る季節になってきた わがまわりの山々もいつもの変哲のない深緑一色から

黄緑から淡い緑の萌木色の山肌があちこちに見られ 優しい色合いになっている

桜から新緑のこの時期は 季節のありがたみを一番感じるようだ

大型連休が近くなり 目に青葉 山ホトトギスの 季節が訪れようとしている

昨年の暮れ息子夫婦に男の子が生まれたので 今年は鯉のぼりをと思い 

4月の初め近くのスーパーに物色にでかけた 

すでに端午の節句のコーナーがあり 鯉のぼりから 武者幟 5月人形もいろいろと目移りがする

我が家の周囲でよく目にするセットをみると 鯉のぼり 武者幟 そしてアルミポールを含めるとかなりの値段である

昨年の暮れ一生に一度の贅沢と 清水の舞台から飛び降りる思いで買ったオーディオアンプよりも高い

かわいい孫を思うと また飛び降りるのもいいのかもしれないが 

流行に流され 売り側の言いなりになるのがいやであった

何か手立てはないものかと思っていたら 

女房が息子たちのために 親父とお袋が揚げてくれた鯉のぼりがあるかもという 

もしあったらそれを使おうと お袋の家の物置を探してみたら 

箱の中に綺麗に仕舞われた鯉のぼりがあった

だして見ると新品とほとんど変わらないようだ

鯉のぼりがあったから 次は揚げるための竹竿である 

早速近くの孟宗竹林に行き 合いそうな竹を探す 

鯉のぼりの大きさからして長さが10mぐらいはいりそうだ

竹を切るのは簡単だが 切った竹を倒し それを適当な長さに切り 

そして庭まで運んでくる 竹一本に一日がかりである 

庭に穴を掘り 倒れないように支柱をして 竹竿を立てる 

それが力のいる難儀なことで 女房に加勢をもらい四苦八苦しながらなんとか立てた

そしてもうひとつ 天辺の矢車である 

女房曰く 風が吹けばうるさく 近所に迷惑がかかると 

我が家の周りは空き地だらけで迷惑をかけそうな家もないのだが

確かに風が吹けばからからと煩そうなので 

もう一工夫 杉の葉で杉玉を作り 竹竿の天辺につけた

なんとか準備も終わり いよいよ鯉のぼり揚げである 

ロープに吹き流しから順番に付け引っ張る するすると鯉のぼりが揚がっていき 

風のなかでいきおいよく泳ぎだす 

30数年ぶりに陽のめを見た鯉のぼり ぴかぴかとし堂々たるものである 

近くで様子を見ていた我が家の猫 タヌ子 が 今にも飛びつきそうな目でじっと見ている


私どもの子供時代は貧しいもので 

鯉のぼりを揚げてもらった同級生が何人いただろうか

鯉のぼりは歌と本の中でのものであったが
経済の成長につれ 鯉のぼりの数も多くなり 5月の空はにぎやかなものになった
しかしこの10年 少子化とともに徐々に少なくなり 昨今は数えるほどで
この先どうなるものかいささか気になるところである

やはり5月の空は 甍の波と 雲の波 ~ 橘かおる~
この歌とともに 我が里のあちこちに鯉のぼりが翻る姿をいつまでも見たいものだ


大空に タヌ子目掛ける 鯉のぼり 
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by minnamiya | 2018-04-26 17:05 | ふるさと雑感 | Comments(0)  

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