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ふるさと雑感



けんぼうの夢想話


鯉のぼりの男


 55日こどもの日 文化通りの友人たちと 熊本阿蘇まで

日帰りのバス旅行にでかけた

その日は天気も良く 車窓から見る新緑が陽を浴びキラキラと輝き

まさに風かおる5月であった

今年は孫のために初めて鯉のぼりを四苦八苦して揚げたので 
鯉のぼりへの思い入れが強く 
車窓から
5
月の空に翻る鯉のぼりを期待していたのだが

道中鯉のぼりを見たのは 
南阿蘇の高いクレーンに揚げられた鯉のぼりのほかに3
つほどで

いささか拍子抜けして帰ってきた

ついこの前も 昭和の日に孫の初節句をするということで

鯉のぼりの男 として勇んで 馬ならぬ飛行機で成田に降りたのだが

成田から東京の空に鯉のぼりを見つけることができなかった

そして4日ほど東京の街をウロチョロしたが 

スカイツリーや東京タワーをバックに翻る
鯉のぼりを見ることがなくがっかりであった 

かろうじて帰る日に 孫の住んでいるアパートの階下のベランダに

団地サイズの鯉のぼりを 2つ見たことがせめてものすくいであった

少子化 住宅事情 生活環境 価値観の変化と いろんなことが考えられるが

鯉のぼりを揚げて祝うということが すでに時代遅れになったのかもしれない


バス旅行の楽しみは缶ビールを飲みながらワイワイやることだが

今回もビール工場見学や昼のバイキングでビールを飲み過ぎ 

いい気持ちになり 帰りのバスの中でウトウトしていたら 

友人のお袋さんが100年の生涯を終えたとの連絡があった 

この23日危ないとは聞いていたが 

私は3年前母親が旅立っていった時のことを思いだした

ぽっかりと穴が開いたように虚ろになったことを覚えている

友人もお袋さんが10年来施設にお世話になっていたので 覚悟はしていただろうが

いざ現実になると……

友人のお袋さんには学生の頃よくお世話になった 
正月など友人の家でおせち料理をごちそうになり 
吸い物と昆布まきを 今でも思い出す

方丈記の冒頭の一節 ゆく川の流れは絶えずして しかももとの水にはあらず

人の世はこの繰り返しである

新しい生命が生まれれば 健やかな成長を願い 雛人形を飾ったり

鯉のぼりを揚げたりして祝う節句は 節目々の賛歌といえる

新しい生命が輝けば 古い生命も輝き寿ぐものであろう

30数年前友人に男の子が生まれたときは

新屋家の庭にスミさんの手で揚げられた鯉のぼりが 高々と翻っていたことだろう






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by minnamiya | 2018-05-07 11:27 | Comments(0)  

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