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ふるさと雑感

けんぼうの夢想話


           床 屋 さ ん

 
 月日の経つのは早いもので ついこの前までお水取りかと思っていたら 

もう花見の時期になってしまった

みんなみ屋も4月3日水曜日に舞敷野の公民館で
例年のように花見をすることになった 

2、3日前 恵美さんから髪がアインシュタインのようだと

そして花見にはお嬢さん方も来るんでしょう よかにせにせんと! 
と小言までいわれたので しぶしぶ散髪に行くことにした

床屋さんは それぞれ行きつけがあるもので 

これまで60年ほど通っていた川畑の床屋さんが 3年前になくなり

それから町中の床屋さんにいくようになった

川畑の床屋さんは ラジオから加賀美幸子の声が流れ

一人でのんびりと 世間話をしながら チョキチョキやっていたが

町中の床屋さんは数人のスタッフでの流れ作業である

マネキン人形のようにじっとしておれば あっという間に終わってしまう

私みたいな人間にはいいが 口から先に生まれたような貞則には

物足りないのではないだろうか

床屋さんも時代とともに変わるものである

まぁ~なんであれ 床屋さんで顔に蒸しタオルをして

横になる時ほど気持ちのいいものはない ついうとうととしてしまう

この1週間 オホーツク街道 という本を読んでいたので

うとうとしながら 網走の ババーショップ のことを想った

100年以上前のことである 流氷にびっしりと囲まれた極寒の地

赤々と燃えているストーブの上で 鉄瓶がちんちんと音を立てている 

寒風吹き込む粗末な小屋で 客の髪を切りながら 

米村喜男衛はどんな話をしていたのだろうか

モヨロ貝塚のことだろうか オホーツク人のことだろうか
しばし夢の中に~


昨年の夏蓼科の友人宅にお世話になったおり

信濃大町で電車に乗ってきた登山帰りのグループが

黒部はアイヌ語で 魔の川の意味 ガルペッ からきたらしいことを話していた

黒部がアイヌ語 ?  信州にアイヌ人がいたのかと不思議に思った

そしてあくる日 友人夫妻が茅野の尖石縄文考古館に案内してくれた 
そこで縄文のビーナスをはじめ 縄文の世界にふれ 
出土品の数と物の見事さに驚いた

私のそれまでの縄文の知識は 石器と土器のかけらが並ぶ

白黒の色あせた写真のようなもので それもピンボケしていた

目の前に広がる縄文の世界は 最新の4Kテレビの映像以上に
鮮やかで豊かなものであった
今から4,5千年前 諏訪の地に
こんな豊かな世界があったことを初めて知った

そして友人の奥さん真理子さんから 

諏訪はアイヌ語の窪地 沼 湖 を表す言葉からきているらしいと聞き

黒部 諏訪 縄文とアイヌ語の関係が おぼろげながら繋がった

アイヌ文化の始まりは123世紀鎌倉の頃からだという

縄文人(狩猟採集)が弥生人(稲作)に同化せず

北海道で最後まで残ったのがアイヌ人ということのようだ

この国では太古から 縄文人 弥生人 オホーツク人 アイヌ人の 
何千年に渡る壮大な物語りがあり 昭和 平成 令和に至っている 

その過去という無限の世界の物語りの上に 我々が乗かっていると思うと

少しだけ気持ちが広くなり 未来がそのぶんだけ豊かになるようなきがする


今年も桜の季節がやってきた 縄文のビーナスも 卑弥呼も アイヌの娘さんも
うっすらと染まる山肌に 巡りくる春を感じ
どこか ソワソワウキウキ していたことだろう




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by minnamiya | 2019-03-31 13:03 | Comments(0)  

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