ふるさと雑感
2019年 03月 31日
けんぼうの夢想話
床 屋 さ ん
月日の経つのは早いもので ついこの前までお水取りかと思っていたら
もう花見の時期になってしまった
みんなみ屋も4月3日水曜日に舞敷野の公民館で
例年のように花見をすることになった
2、3日前 恵美さんから髪がアインシュタインのようだと
そして花見にはお嬢さん方も来るんでしょう よかにせにせんと!
と小言までいわれたので しぶしぶ散髪に行くことにした
床屋さんは それぞれ行きつけがあるもので
これまで60年ほど通っていた川畑の床屋さんが 3年前になくなり
それから町中の床屋さんにいくようになった
川畑の床屋さんは ラジオから加賀美幸子の声が流れ
一人でのんびりと 世間話をしながら チョキチョキやっていたが
町中の床屋さんは数人のスタッフでの流れ作業である
マネキン人形のようにじっとしておれば あっという間に終わってしまう
私みたいな人間にはいいが 口から先に生まれたような貞則には
物足りないのではないだろうか
床屋さんも時代とともに変わるものである
まぁ~なんであれ 床屋さんで顔に蒸しタオルをして
横になる時ほど気持ちのいいものはない ついうとうととしてしまう
この1週間 オホーツク街道 という本を読んでいたので
うとうとしながら 網走の ババーショップ のことを想った
100年以上前のことである 流氷にびっしりと囲まれた極寒の地
赤々と燃えているストーブの上で 鉄瓶がちんちんと音を立てている
寒風吹き込む粗末な小屋で 客の髪を切りながら
米村喜男衛はどんな話をしていたのだろうか
モヨロ貝塚のことだろうか オホーツク人のことだろうか
しばし夢の中に~
昨年の夏蓼科の友人宅にお世話になったおり
信濃大町で電車に乗ってきた登山帰りのグループが
黒部はアイヌ語で 魔の川の意味 ガルペッ からきたらしいことを話していた
黒部がアイヌ語 ? 信州にアイヌ人がいたのかと不思議に思った
そしてあくる日 友人夫妻が茅野の尖石縄文考古館に案内してくれた
そこで縄文のビーナスをはじめ 縄文の世界にふれ
出土品の数と物の見事さに驚いた
私のそれまでの縄文の知識は 石器と土器のかけらが並ぶ
白黒の色あせた写真のようなもので それもピンボケしていた
目の前に広がる縄文の世界は 最新の4Kテレビの映像以上に
鮮やかで豊かなものであった
今から4,5千年前 諏訪の地に
こんな豊かな世界があったことを初めて知った
そして友人の奥さん真理子さんから
諏訪はアイヌ語の窪地 沼 湖 を表す言葉からきているらしいと聞き
黒部 諏訪 縄文とアイヌ語の関係が おぼろげながら繋がった
アイヌ文化の始まりは12~3世紀鎌倉の頃からだという
縄文人(狩猟採集)が弥生人(稲作)に同化せず
北海道で最後まで残ったのがアイヌ人ということのようだ
この国では太古から 縄文人 弥生人 オホーツク人 アイヌ人の
何千年に渡る壮大な物語りがあり 昭和 平成 令和に至っている
その過去という無限の世界の物語りの上に 我々が乗かっていると思うと
少しだけ気持ちが広くなり 未来がそのぶんだけ豊かになるようなきがする
今年も桜の季節がやってきた 縄文のビーナスも 卑弥呼も アイヌの娘さんも
うっすらと染まる山肌に 巡りくる春を感じ
どこか ソワソワウキウキ していたことだろう
by minnamiya | 2019-03-31 13:03 | Comments(0)